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「世界まる見え」誕生会


ビートたけしさんが1月18日、所ジョージさんが26日、そして私が12日。
そう、「世界まる見え!テレビ特捜部」(NTV毎週月曜夜8:00〜放送)の司会者陣は、全員1月生まれなのです。
そこで毎年、他のレギュラー・ゲストのラサールさんやヨシタケさん、タカさんらが企画し、私たちの合同誕生会を開いてくださいます。
去年はフグ、そして今年はなんと・・・すっぽん、でした。

私、すっぽんは初体験です。
というか、これまで鍋物自体を、あまり食べる機会がありませんでした。
私はひどくトロくて、鍋物を大勢で囲んでいると、ひとり、食べ損なってしまうのです。
焼肉も、そうです。
「なるほど!ザ・ワールド」をやっていた頃、皆でよく焼肉を食べに行きましたが、お肉が焼ける頃合いと、私が箸を出すタイミングがずれているらしく、右から左から出てくる他の手に、いつも食べようと思って待っていたお肉をさらわれてしまうのでした。
そんな要領の悪い私のために、
「はい、エリコさん、これもうOKだよ」
とお皿に取り分けてくれる、親切なスタッフも勿論いたのですが、それがまた私の食事のペースと合わなくて、あんまり食べられなかったのですね。
中華料理のターン・テーブルも、苦手。
くるくる回されているうち、欲しいものが取れなくなってしまうのです。
で、もたもたしているうちに時間が過ぎて、私はいつもお腹をすかせて帰宅することになるのでした。

それに、鍋、というだけでなく、すっぽんは、やはり特別なものですよね。
実を言うと、今回、私がすっぽんを食べたことがないので、
「じゃ、誕生会は、すっぽんにしよう」
ということになったのでした。
しかし、当日までに、さんざん脅されました。
「ぶつ切りになったすっぽんが、脂ぎった鍋にプカプカ浮いててね、それをつかんで、すするんだ」
「大きく指を開いた、でっかい手がそのまんま出てくるよ」
「頭もにょきっとね!」
青くなった私を見て、所さんとヨシタケさんが、言いました。
「あのね、無理しなくていいんだよ。
イタリアンかなんかにしたほうが、いいんじゃない?」
でも、ここで怯んでは女の名がすたると、覚悟を決めて、私はすっぽん屋さんに向かったのでした。

到着してみると、そこは、たけしさんの行き付けの、料亭のような立派なすっぽん屋さんでした。
私は、ほっとひと安心。
きれいな小鉢がテーブルに並べられ、宴が始まりました。
朝からスタジオに入り、番組を2本録ったあとですが、私たちの勢いは全く衰えることがありません。
スタジオでしゃべっているのと変わらず、わいわいがやがや、おしゃべりが続き、盛り上がります。
すっぽんの鍋が運びこまれました。
ああ、ちっとも気持ち悪くなんかない、美しいスープです。
しょうがの香りが効いて、実に味わい深い!
すっぽんの血はさすがに飲めない、と遠慮していたら、目の前で東山さんが、涼しい顔をして、一気に飲み干しています。
「日本酒で割ってあるから、さっぱりしてて、美味しいですよ」
あの美しい顔でそう言われたら、私も手を出さないわけにはいきません。
意を決して、口を付けてみたら、ほんとうに、さらさらと咽喉の奥に流れていきました。
それから、ちょっと、すっぽんのお肉をつまんで、皮のところも、そしてゼラチン質も・・・。
はっはっは、大丈夫でした!
体がぽかぽか温かくなって、ふと気付くと、次々にすっぽんを平らげていましたよ、私。
最後の雑炊なんて、2度もおかわりしちゃいました!

あとでこっそりお店の方に聞いたのですが、私がびっくりしないように、皆さんとても気を遣ってくれていたそうです。
たけしさんは事前にわざわざ電話を入れて、ひょっとして私が食べられないといけないので、他のお料理も何か用意しておいて、と注文してくださっていたんですって!
まあ、なんてありがたい、優しい心配りでしょう!!
感謝!
こうして、私の初体験は、めでたく終了したのでした。

次の日の朝、私のお肌は、ピカピカ、つるつる・・・は気のせいだったかしらん?

2003年2月1日  
楠田 枝里子