** Eriko Kusuta's World ** 楠田枝里子公式ホームページ **
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■ ピナ・バウシュからの招待状

■ 幸せな、時間の贈り物

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■ ピナ・バウシュを追いかけて

■ ヴッパータール、ヴッパータール

■ ピナ・バウシュに会うために

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京都賞を受賞


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■ 訃報、トマス

■ 口絵(1)

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口絵(1)


「ピナ・バウシュ中毒」の口絵4ページには、取って置きの思い出が、どっさり詰まっています。
ほとんどが、私のカメラで撮った、ピナやダンサー、関係者たちとのスナップ・ショットで、「お宝写真」もそこここにちりばめられているんですよ。
このホームページで、少しずつ打ち明けていきますので、楽しんでくださいね。

最初のページのモノクロ写真だけが、プロのフォトグラファーが撮影した、ピナのポートレートです。
本を手に取って真っ先に目に入るピナの姿ですから、この1枚を選ぶのには、ほんとうに悩みました。




まず、時間をかけて、数え切れないポートレートをチェックし、それぞれ違うフォトグラファーの、異なるタイプの3枚を選びました。
どれも美しい写真です。
それを、メールでマティアスに送り、ピナに選んでほしいと頼んだのです。
ピナ自身の好みの写真を、最初のページに飾りたかったから。

それから4〜5日、かかっていたでしょうか。
ついに、マティアスから返事がきました。
彼は、いかにもピナらしいと、おかしそうに笑って、こう書いてきたのです。
「ピナは、私にはとても選べない、って言ってるんだ。
あなたが決めて、って」

さあ、大変。
私が決断しなくてはなりません。
さんざん思い悩んだ末、ようやく、ゲルト・ヴァイゲルトのこの1枚を選びました。
ピナのまっすぐに世界を見詰める、強くて深い眼差しが、私をとらえて離さなかったのです。
面識がなかったので、マティアスに紹介をしてもらって、写真の使用を許可してもらいたい旨、メールをゲルト・ヴァイゲルトに送りました。

ところが、その後、なかなか返事をもらうことができませんでした。
やはり、見知らぬ外国人の小さな本の口絵にアーティストの作品を使うのは難しいのかしら、と諦めかけていたころに、ご本人から、とてもフレンドリーなメールが届きました。
撮影のため旅に出ていたそうで、私の依頼には快諾してくださいました。

何度かメールでやりとりをしましたが、本当に率直でプロフェッショナルで気持ちのいい人です。
できあがった本を受け取ると、すぐに、暖かな賛美の言葉を贈ってくれたんですよ。
「5月には必ず、ヴッパータールでお会いしましょうね!」
と約束をしています。


2004年2月1日  
楠田 枝里子