** Eriko Kusuta's World ** 楠田枝里子公式ホームページ **
■ ナカヨシ、ナカヨシ
■ マフィン、6歳になる
■ やっぱり和食も
おいしいね
■ イタリア料理は
おいしいね
■ 新年は、豪華な晴れ着で
■ 今年も、サンタさん
■ ごめんね、ごめんね
■ お水を、飲みにいくよ
■ 初めての「猫ドック」
■ 暑いのが、キライ
■ 初めての「血液検査」
■ お留守番は、大成功
■ かっこいいっ、
GジャンにGパン
■ マフィン、5歳になる
■ ご飯、ちょうだい
■ 赤鬼さんも、よく似合う
■ 今年もめでたい
招き猫
■ クリスマスが、やってきた
■ ちょっぴり、ヤキモチ
■ クールに決めた
マフィン
■ 以心伝心、マフィンと私
■ かわいい災難に
大笑い
■ 暑い日は、ここが一番
■ シャンプー好きの、ネコ
■ バースデー・プレゼント
■ マフィン、4歳になる
■ マフィンの、耳そうじ
■ マフィンと、一緒に寝たい
■ 新年は、お殿様気分で
■ 12月の、サン
タ・マフィン
■ マフィンの、ため息
■ 紙で遊ぶの、大好き
■ ライフ・ジャケットを着る
■ えらいぞ、マフィン
■ 「ねむねむ」に夢中
■ マフィン、奥の手を使う
■ ちょっとだけ、反抗期
■ マフィン、3歳になる
■ 「お手」の教え方
■ 丸い背中が、語っている
■ ちょっぴり、大人になったね
■ なんてこった、マフィン
■ ネコが、歌をうたう?
■ 初めての、ペットシッターさん
■ 教えなかったこと(2)
■ 教えなかったこと(1)
■ 「お手」と「おすわり」
■ 思春期の、ニキビ
■ 嵐の、TVデビュー
■ マフィン、2歳になる
■ 春のニャン・ファッション
■ 死んではいられない
■ マフィンの郵便ポスト
■ たった一度の、おもらし
■ 秋の日の、マフィン
■ けなげな、マフィン
■ マフィンと、ランニング
■ お母さんの名前は?
■ はじめての、動物病院
■ ようこそ、マフィン
■ マフィン、1歳になる
■ ハッピー・バースデイ
■ おやすみ、マフィン
■ バスタブにおっこちる
■ ボーイフレンドがやってきた
けなげな、マフィン
楠田枝里子
今年の7月。
マフィンが突然、食べたものを吐きだしました。
いつもと同じご飯。
いつもと同じ生活を送っているというのに、いったいどうしたのでしょう!?
1回に与える分量を少なめにし、消化の良さそうなものにフードも変えてみたりしましたが、いっこうに良くなりません。
周囲の愛猫家の知人に相談をしてみると、
「ああ、今の時期は、ネコも体調を崩しがちなんですよ。
ほら、人間だって、梅雨時はすっきりしないでしょう?
それと同じです。
うちのネコたちも、いつもこの時期は元気ないですよ」
という返事。
またある友人は、
「ちょうど毛が抜けて、夏の準備をする時期なので、抜けた毛を飲み込んで、それを吐き出しやすくなるんです。
心配しなくて、いいですよ」
とのこと。
それでも、やっぱり気にかかります。
そんな日が1週間か、10日も続いたでしょうか?
ところが!
そのマフィンの嘔吐が、ある日を境に、ぴたりと止まったのです!!
それはもう、劇的な変化でした。
信じられないくらい!
何があったと、思います?
実はそのとき、私が、この10月下旬発売の新刊書の、書き下ろし原稿を完成させたのです。
「ピナ・バウシュ中毒」というタイトルの本で、去年の12月から、8ヶ月かけて書いてきた原稿でした。
書名に「中毒」なんてあるから、マフィンも食中毒にかかっちゃったのかって?
いえいえ、まさか。
私多分、最後の仕上げの10日間は、あまりに集中して、その世界に入り込みすぎていて、普段と全く空気が違っていたのではないでしょうか。
昼も夜も、ベッドで眠っているあいだも、頭のどこかで引き続き原稿のことを考えている自分がいて、夜中にがばっとはね起きて、仕事を始めることも少なくなかったのです。
マフィンにはいつもどおりに接していたつもりでしたが、一緒にいても、心の全部が自分のところにないことを、彼は察していたのでしょう。
それでも、マフィンは懸命に我慢をして、いい子でいたのです。
今はお仕事してるんだから、仕方ないや、と思ってくれていたのでしょうね。
でも、そのストレスがどんどん大きくなっていって、人間で言えば胃炎を起こしたかのように、食べ物を吐いてしまっていたのだと思います。
ああ、なんとけなげなマフィンでしょう!
私が原稿を完成させ、編集者に提出した、次の日から、マフィンの嘔吐はぴたりと止まりました。
そして、10日間分を取り戻すかのように、1日じゅう私にすりよって、甘えん坊をしていたのでした。
2003年10月
よーい、どん、じゃないよ。
考え事してるんだ。
人(?)生について、さ。
もの思う秋だもの。
ま、たまにだけどね!
「ピナ・バウシュ中毒」だって。変な名前。
でも、ボクが一生懸命がまんしてあげたから、本ができたんだよ。えっへん。
みんなも、読んであげてね!