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チョコレート・レストラン
長くて暑かった夏もようやく終わり、季節はもう秋。
私は身も心も軽やかになって、「芸術の秋」「食欲の秋」と、オペラやバレエ、美術館にコンサート、食事会など、出かけています。
特に、本格的なチョコレート・シーズンの到来で、新しいショップのオープニングや、チョコ・パーティ、チョコのシンポジウムと、このところチョコレート関連のイベントが続いているのです。
(「
ニュース
」のセクションは、おいしそうなチョコレート色のレポートでいっぱいでしょ。)
さあ、それでは皆さんに、取って置きのチョコレート・レストランをご紹介しましょう。
所は、ドイツ、ベルリン。
緑の揺れる広場の角に、FASSBENDER & RAUSCHという、1863年創業の老舗チョコレート店があります。
歴史を感じさせる立派な店構えで、広々とした1階の店内には、それはもう驚くほどの種類のチョコレートが並べられています。
ウィンドウに飾られているのは、全部チョコレートで拵えたブランデンブルグ門や、国会議事堂、タイタニック号などの巨大なオブジェ。
チョコレートの火山まであり、ふつふつとチョコレートが湧き出て、流れているのですよ。
極上のチョコレートの香りが、あたりに立ち込めます。
さて、別扉から2階に上がると、そこはおしゃれなレストランになっています。
チョコレート・レストランというと、チープな印象や子供っぽい甘いインテリアを思い浮かべがちですが、いやいやここは、大人が集うフランス料理店の雰囲気。
私は、チョコレート・ケーキ柄のドレスを着ていったのですよ!
ベルリン在住の友人たちと4人で予約した席に着くと、分厚い革張りのメニューが手渡されました。
何ページにも渡って掲げられている料理は全て、チョコレートを使ったものなの。
読むだけで、えんえん時間がかかったわ。
なるべくたくさんのディッシュを楽しみたいね、ということで、私たちは別々の料理を注文し、片っ端からたいらげたのでした。
まず付き出しは、デミタス・カップに入ったシュパーゲル(白いアスパラガス)のクリームスープ。
そこには、なんと、カカオ70%のアリバチョコのソースがかけられていました。
どんなお味なのかしら、と恐る恐る口に運ぶと・・・まあ、まろやかなスープにちょっぴりほろ苦いアクセントがついて、なんとも美味。
前菜は、セラノ・ハムとウズラのウェハース、イチジクのサラダのバルサミコ・チョコレート・ソース。
続いては、トバゴ農園のチョコレートをかけたセロリのスープ。
ああ、幸せの味わい。
メイン・ディッシュのお肉や魚料理にも、カカオが踊っていました。
チョコとホースラディッシュのソースがかかっていたり、チョコとレンズ豆のトルティーヤが添えられていたり。
パスタを注文した友人の前には、ライム・チョコレートを練りこんだ茶色いスパゲッティが登場したのですよ!
次々に運ばれてくるお皿に、私たちは皆、歓声を上げっぱなしです。
ギャルソンが、ソフトボール大のトリュフを2つ運んできたと思ったら、それは、カカオとペッパー、カカオと唐辛子のお団子で、トリュフと同じように削って、お料理にアクセントとしてかけてくれました!
デザートも、勿論、チョコのバリエーションです。
ふわふわのクリームをチョコで巻いたロール・ケーキやら、チョコ・アイスやら、チョコのクレープやら・・・。
チョコレート・フォンデュもメニューにはあったけれど、私たちにはとても食べ切れませんでした。
そして、そして、紅茶もカカオ、最後の食後酒までが、カカオのリキュール。
くうっ、至福の喜び。
チョコレート三昧のディナーで、体じゅう、髪の毛の1本1本にまでチョコの詰まった夜だったのでした!
2007年9月28日
楠田 枝里子